JEPLANは、Axens・IFPENと共にAxensによるRewind® PET ケミカルリサイクルプロセスについて商用展開の承認を得たことを発表
―様々な使用済PETをリサイクル可能なケミカルリサイクル技術のライセンス供与が可能に―

株式会社JEPLAN(代表取締役 執行役員社長:髙尾 正樹、以下「JEPLAN」)は、Axens(以下「Axens」)とIFP Energies nouvelles(以下「IFPEN」)と共に、Rewind® PETケミカルリサイクルプロセスについてAxensによる商用展開(技術ライセンス供与)の承認を得たことを発表しました。
3社は、2023年10月にJEPLANの保有する北九州響灘プラント(略称:KHP、福岡県北九州市)を改築・拡張する形で、Rewind® PETの凖商用レベルの設備(Semi-industrial unit)でのデモンストレーションの開始を発表しました。約1年間にわたるデモンストレーションにおいて、順調に成果を得ることができ、技術の性能が確認されたため、ライセンサーであるAxensによるライセンスの商用展開の承認を発表するに至りました。これにより、AxensとIFPENの戦略の要となるエネルギー転換とプラスチックの循環経済の加速が期待されます。この度の商用展開の開始により、Axensは世界中の顧客に様々な使用済PETをリサイクル可能なRewind® PET ケミカルリサイクルプロセスの技術ライセンスを提供できるようになります。

 

順調に重要なマイルストーンを達成

Axens、IFPEN、JEPLANは、2020年に戦略的パートナーシップを締結し、あらゆる種類の使用済のポリエチレンテレフタレート(PET)、特にメカニカルリサイクルが難しい廃PETをリサイクルするための革新的なケミカルリサイクルプロセスの開発に取り組んできました。フランス環境・エネルギー管理庁(ADEME)の支援を受け、この協力の成果として、2023年9月にKHPの既存設備に併設するかたちで、Rewind® PETの凖商用レベルの設備(Semi-industrial unit)を建設し、試運転、稼働が実現しました。
デモンストレーションの結果、プロセスの有効性と信頼性が実証されたことで、Rewind® PETのプロセスについて技術評価がなされ、商用展開の開始に至りました。
3社が当初発表したスケジュールは野心的なものでしたが、順調に成果を得たことで、この商用展開の開始が実現しました。Axensは、基本プロセス設計(モジュール化可能)、性能保証、専用機器の供給、顧客が新たに建設をするケミカルリサイクル工場の立ち上げと運用に関する技術サポートを含む、Rewind® PETライセンスを提供できるようになりました。

 

業界で待望の革新的なPETのケミカルリサイクルプロセス

Rewind® PETは、PETの解重合をグリコリシスによって行い、得られたモノマーであるBHET(ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート)を高度に精製するプロセスです。このプロセスの主な利点は、すべての添加剤や着色料を分離して高純度なBHETモノマーを再生できる点にあり、これにより既存、及び新たに建設する重合プラントで容易に再重合が可能です。デモンストレーションで得られた精製BHETモノマーから製造された再生PETは、すでに食品包装や化粧品業界等の主要企業からも承認を受けており、広く市場に受け入れられる可能性が示唆されています。

 

【各社代表コメント】

Axens  Chairman and CEO Quentin Debuisschert
Rewind® PETプロセスは、Axensのプラスチック循環型経済におけるグローバル戦略の一環であり、メカニカルリサイクルを補完するために設計された複数の化学的および物理的リサイクルプロセスの開発と商用展開を行っています。この革新的なプロセスを通じて、私たちはクライアントが包装やテキスタイルを含む多くの産業分野においてリサイクル材料の導入に関する野心的な目標を達成するのを支援します。これは、信頼性が高く持続可能なソリューションを求める製造業者やブランドオーナーにとって、環境負荷の課題解決に向けた対応策となります。

IFPEN President Pierre-Franck Chevet
私たちは、この革新的なRewind® PET ケミカルリサイクルプロセスの商用展開が可能になったことを誇りに思います。これは、IFPENでの10年にわたる研究開発の成果であり、AxensやJEPLANとのパートナーシップによる成功したデモンストレーションの成果であり、IFPENが循環型経済に対するコミットメントを持ち、プラスチック廃棄物削減のための技術開発に取り組んでいることを示しています。

JEPLAN 代表取締役 執行役員社長 髙尾 正樹
私たちは、ポリエステル製の包装材や繊維の循環経済の発展を推進するこの開発に参画し、重要なマイルストーンの達成を発表できることを大変誇りに思います。AxensとIFPENと共に、この革新的なプロセスを通じて、PET業界のリサイクル目標を達成する一助となり、グローバルな環境目標に貢献することが期待できます。JEPLANは、川崎のペットリファインテクノロジー(PETボトル)を商用稼働するとともに、KHP(ポリエステル繊維)の運営も行っており、PETケミカルリサイクル業界においてパイオニアとして、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、独自技術を用いて資源循環に取り組んでいます。

 

【各社概要】

Axensについて
Axensグループ (www.axens.net) は、石油やバイオマスからよりクリーンな燃料への転換、主要石油化学中間体の製造と精製、プラスチックのケミカルリサイクル、天然ガス処理と転換、水処理、CO2回収など、幅広いソリューションを提供しており、それは、技術、装置、加熱炉、モジュール装置、触媒、吸着剤およびそれらの関連サービスを含みます。Axensは、フィージビリティ・スタディから装置の立ち上げ、装置ライフサイクルを通した運転フォローアップまで、バリューチェーン全体を網羅する理想的な立場にあります。このユニークな立場により、高度な性能と環境フットプリントの削減が保証されます。Axensの国際的なサービスは、高度に有能な人材、近代的な製造装置、産業・技術支援・販売サービスのための広範なグローバルネットワークに基づいています。なお、AxensはIFPグループ企業です。

IFP Energies nouvellesについて
IFP Energies nouvelles (IFPEN, https://www.ifpenergiesnouvelles.fr/)は、エネルギー、輸送および環境の分野における主要な研究・研修機関です。持続可能なモビリティ(移動手段)、新エネルギー、石油・ガスという3つの戦略的優先分野に基づいて、研究から産業まで、技術革新がすべての活動の中心となっています。IFPENは、持続可能なエネルギーミックスを支える技術革新に取り組み、エネルギー部門の根本的な変革を支援しています。IFPEN は、先進的バイオ燃料、バイオベース製品、プラスチックリサイクルの生産プロセスを開発することで、この変革に貢献しています。また、CO2回収・貯蔵、海洋エネルギー、エネルギー貯蔵のソリューションにも取り組んでいます。

株式会社JEPLANについて
株式会社JEPLAN(www.jeplan.co.jp)は2007年に設立。独自のPETケミカルリサイクル技術を用いたものづくり、事業開発や技術ライセンスの展開を推進することで、限りある資源の循環を実現し、CO2 排出量削減に寄与しています。2017年に、北九州市に独自技術を用いて繊維to繊維のリサイクルをする北九州響灘工場(KHP、年間生産能力1千トン)の稼働を開始。2018年には、川崎市に商用プラントであるペットリファインテクノロジープラント(PRT、年間生産能力2万2千トン)を買収(公式サイト:https://www.prt.jp/)。2021年に操業を再開し、ケミカルリサイクル技術を用いて使用済のペットボトル等から主にペットボトルの原料になる再生PET樹脂を製造・販売しています。なお、PRTは商用プラントとして、10年以上の操業実績を有しています。

 

当該プレスリリースはこちら

【プレスリリース】Axens, IFPEN, JEPLAN、AxensによるRewind® PETケミカルリサイクルプロセスの商用化を発表.PDF

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